智の木協会活動報告

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第6回グリーンツーリズム 「大塚製薬株式会社 能力開発研究所、徳島工場、大塚国際美術館」見学会 レポート

 平成26年6月17日(火)、智の木協会は大阪国際サイエンスクラブ様と共催で、大塚製薬株式会社 能力開発研究所、徳島工場、大塚国際美術館の見学会を実施しました。
高速バス 松茂バスターミナルでは、車体に「SOYJOY」の絵がいっぱいに描かれたカラフルなバスでのお出迎えでした。ここから大阪市内の大塚製薬(株)八木次長様が同行してくださいました。
 まず初めに大塚製薬株式会社 能力開発研究所を訪問しました。研究所は、社員のための教育施設として1988年3月に設立され、グローバル化時代における多様な変化に対応できる人材の育成を目指してこられました。トマトホールの頭上一面に広がる真っ赤なトマトの屋根「巨大なトマトの木」は、写真などでよく目にしますが、大塚製薬(株)さんの理念を具現化したモニュメントの一つだそうです。トマトとは地面に何本も植えて育てるという固定概念を覆し、1つの水槽に2〜3本植え、1年間に約2千〜5千個のトマトを収穫するそうです。


 トマトホールに続くヴェガホールには、独自の「新しいモノの創造」を推進するために、当研究所のテーマである「発想の転換」を象徴する二つ目のモニュメント、「曲がった巨大杉」が展示されています。真っ直ぐのはずの杉が曲がっており、しかも釘などは一切使用されておらず、一点で安定しています。三つ目のモニュメントはトマトホールとヴェガホールの間に水を湛えた空間があり、そこに「水に浮かぶ石」として設置されています。あたかも噴水で重い石が持ち上げられたような印象を持ちます。いずれも先入観を取り除くために選び抜かれた仕掛けで、事は色々な角度から見ること・考えることの重要性を物語っています。
 ヴェガホールは400席程の小ホールです。座席は前の人の頭が邪魔にならないように設置されて、左利きの人にも特化した学びやすい空間に仕上げられ、同時通訳のシステムも導入されています。壁面は球状で、しかも吸音効果のある陶板で作られています。あちこちに常識を覆した工夫がみられました。



 次に、徳島工場見学に向かいました。徳島工場は1970年に設立された、オロナミンCドリンク・ポカリスエット等を製造している飲料工場です。茶色のビンが用意され、「カバトル」でカバーを取り除き、テープを切り、テープは自動的に細かく切られてリサイクルされるなど、環境に配慮した形の工場になっています。生産ラインを眺めていると、過去の数々の有名なコマーシャルが思い出されました。「オロナミン」とは「オロナイン軟膏」が先に販売されていたため、そこから命名されたそうです。
 ここで製造されているオロナミンCドリンクは中東向けだそうですが、試飲させていただいた印象では、国内向けと同じ味のようでした。工場は1日3交替制で24時間稼動し、オロナミンCドリンクを1日あたり110万本、2ℓ入りポカリスエットを10万本、(ビタミン炭酸)MATCHペットボトル50万本、MATCH缶70万本生産しているそうです。
 今回の最終見学場所は、大塚国際美術館でした。日本最大級の常設展示スペース(延床面積29,412平米)を有する「陶板名画美術館」です。6名の選定委員によって厳選された古代壁画から、世界25ヶ国、190余の美術館が所蔵する現代絵画まで至宝の西洋名画1,000余点を大塚オーミ陶業株式会社の特殊技術によってオリジナル作品と同じ大きさに複製されている名画を鑑賞しました。
 スタートは「システィーナ礼拝堂天井画および壁画」。丁寧に鑑賞のポイントを教えていただきました。陶板でこれほどまでに質感を表現することは、本当に大変なことだったと思いますが、美術館と異なり、壁面展示の作品には実際に触れて名画の印象を感じることができました。 
 オランダのゴッホ美術館で観た「ひまわり」、ハーグ市立美術館(マウリッツハイス美術館)で観たフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」「デルフトの眺望」など、その時もすぐそばで観ることができましたが、今回は、陶板ですので手で触れることができました。何と幸せなことでしょう!陶板は半永久的にその色彩が変化しないと言われ、モネの「大睡蓮」は屋外での展示になっています。パリのオランジェリー美術館の第2室がそのまま原寸大で再現されています。円形の壁面いっぱいに描かれている睡蓮や枝垂れ柳。ここでは枝垂れ柳が重要なモチーフになっているそうです。次はぜひともオランジェリー美術館へ行きたいと思います。
 関心のある絵画を限られた時間内で鑑賞することはとても難しく、モネの「大睡蓮」のそばに腰掛けて休憩しました。睡蓮やハナショウブアジサイなどの植物が小雨に濡れてしっとりとした印象で、あたかもモネの時代にタイムスリップしたかのような心地よさでした。



 売店では昔懐かし「ボンカレー」(昭和43年に一般向けに販売されたレトルト食品)や、名画を自宅でも鑑賞できる「陶板絵画」など、いろいろなお土産が売られていました。団塊の世代の方々の参加も多く、ボンカレーが人気の的でした。
 今回は、一度は見たかった「(巨大トマトの木)トマトの屋根」や飲料製造過程、そして、陶板美術館内の数々の名画を見学でき、大きな収穫でした。見学会共催団体の大阪国際サイエンスクラブ様、ご準備いただきありがとうございました。また、ご案内願いました大塚製薬(株)の八木様始め、石川様、小野様、富浦様、ありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。