智の木協会活動報告

智の木協会の活動報告ブログです

第13回グリーンツーリズム(2019年6月7日実施)

~和歌山 伊太祁曽神社参拝、中野酒造を訪れる一日~ レポート

 

 伊太祁曽神社は、和歌山市伊太祈曽(いだきそ)に鎮座し、神社には木の神様、「五十猛命(いたけるのみこと)」を祀ってあります。
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 第10回シンポジウム(創立10周年記念)で、禰宜の奥重貴氏に「木の国、こんにちは~木の神様のお話~」のタイトルでご講演いただいたことをきっかけに、「社団」テラプロジェクト主催「第一回名木シンポジウム」でもご講演いただきました。
「植育」を理念として掲げている智の木協会としましては、「木の神様」「植林をして廻った神様」を祀ってある伊太祁曽神社は、まさに智の木協会の活動を象徴すると言えるかと思います。
 伊太祁曽神社和歌山電鐵貴志川線沿いにあり、一度は貴志川線の廃止が決まりましたが、地元住民たちでローカル線を残そうとの思いから、岡山県両備ホールディングス(株)の小嶋光信氏に相談されました。この住民活動の中心的存在が奥氏でした。
 小嶋氏には智の木協会、第7回シンポジウム(平成26年、2014年)でご講演いただき、貴志川線を残すことやたま駅長のこと等お話いただきました。その時点では伊太祁曽神社と結びつきませんでしたが、奥氏のご講演で全てが繋がりました。
 この度は、まず、バスで貴志川線貴志駅まで行き、ネコの形の駅舎やニタマ駅長の写真を撮ったりした後、「たま電車」あるいは「うめ星電車」で伊太祈曽駅へ移動し、そこから神社まで徒歩で向かう行程を組みました。
 ところが当日は朝から雨、警報が出ている中での出発でした。運転手さんと参加者21名、合計22名を乗せたバスは、阪神高速、阪和道を経て貴志駅へ向かいました。車中では自己紹介、伊太祁曽神社の簡単な説明等、有意義な時間を過ごしました。高速道路をおりた頃から道路に水が溢れ、「この雨はちょっと普通じゃない・・・」と感じるようになりました。それでも予定通りに貴志駅でおろしていただきました。丁度、台湾からの観光客を一杯乗せたたま電車が到着しましたので、それに乗る予定にしました。

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 程なく、吉礼(きれ)駅付近で線路冠水のため電車は動きませんとのアナウンスがあり、やむなく観光バスに引き返すことにしました。その間、参加者はたま電車に乗り込みました。著名な三戸岡鋭治氏のデザインによる細部まで行き届いた夢溢れる設えは、いつまでも留まっていたい気持ちにさせる体裁で存分に楽しみました。

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 伊太祁曽神社では、禰宜の奥氏始め関係者の皆様にお出迎えいただきました。その頃には雨も小やみになり、五十猛命(いたけるのみこと)、大屋都姫(おおやつひめ)、都麻都姫(つまつひめ)を祀ってある本殿で奥氏に祝詞をあげていただき、智の木協会の代表が玉串を奉納しました。
 貴志駅前の自然食品の店「しおん」で準備していただいたお弁当を楽しみながら、奥氏と歓談し、由緒ある神社の雰囲気に浸りました。

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 昼食後は「木の俣くぐり」やチェンソーカービングについて説明していただきました。「木の俣くぐり」では実際にくぐってみて「お腹が出ていて苦しい!」だの、「あら、十分にゆとりがあるわ」などなど会話が弾みました。この木は、御神木の杉の木で、昭和37年に落雷によって燃えて枯れ、中が空洞になって人がくぐれるようになったため、神話にちなんで厄難除け木の俣くぐりとして神社に据えられ、参拝者に親しまれています。

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 チェンソーカービングは、4月に行われる「木祭り」の際に、チェーンソーアート国際大会優勝者の城所啓司氏が干支の動物を削る実演後に奉納されます。今年の木祭りでは、一巡したためリメイクが行われました。

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 伊太祁曽神社を後にして、次の見学地の中野酒造へ向かいました。神社では小ぶりになっていた雨も、また大降りになっていました。約3千坪の日本庭園を所有しておられる中野酒造さん、まず日本庭園から見学させていただくのですが、生憎の雨、いきなり梅酒つくりの工程見学からスタートしました。実際に見学できない箇所については、ビデオ見学となりました。そこでもハプニングが!停電となりました。それでも復旧後は試飲とお買い物に余念のない参加者たち、急がないと後から台湾観光客が押し寄せてきます。

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 雨の中帰路へ。だんだんと晴れてきました。車中では、アマゾンカムカム(株)社長様のご厚意により、会社の製品2種(カムカムキャンデー&カムカムグミ)のうち、じゃんけんで勝った人はグミを、負けた人はキャンディーをいただきました。お土産付で、大雨で濡れたことなどすっかり忘れて、楽しいバスの旅でした。
 伊太祁曽神社禰宜奥様、神社の皆様、中野酒造観光課主任の田中様、お世話になりましてありがとうございました。観光バス運転手の原様、大雨の中安全運転に心がけていただき、感謝いたします。

「第3回ヘレンドカフェ」(2019年4月24日開催)のご報告

 第3回ヘレンドカフェでは、講師に智の木協会会員の岩田賢造氏をお招きし、主に生産量世界第1位のブラジルコーヒーについてお話いただきました。
 岩田氏は、電気・電子がご専門で、お仕事でブラジルへ行かれた際にコーヒー園をご訪問、そこで働く方々にお会いになり、豆の干し方や豆の外皮除去の方法などを実際にご覧になりました。
 また、神戸にあります「UCCコーヒー博物館」についてもご紹介いただきました。

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 特定非営利活動法人 里山倶楽部(枚方市)の竹炭焙煎のコーヒーを、里山倶楽部代表の中村仁美様に淹れていただき、ケーキ工房フローレンス様の「木苺ショコラの香り」ケーキと共にいただきました。
 里山倶楽部様は、智の木協会協力会員としてご入会いただいております。

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 次回もその季節に相応しいケーキを作成していただきます。
 ヘレンドカフェ10回ご参加で「MIDORI-SANTA シリアルナンバー入りヘレンドカップ&ソーサー」を入手できます。
 智の木協会会員の皆様に発信しておりますので、この機会にぜひご参加ください。
 ご都合のよろしい日にご参加いただければ、結構です。

第12回 智の木協会ワークショップ レポート

  • 日時:平成30年7月13日(金)
  • 会場:大阪富国生命ビル4階 「社団」テラプロジェクトAゾーン

司会:智の木協会 理事 大河内 基夫 氏

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開会のご挨拶:智の木協会 専門委員 豊田 桃介 氏
清水建設株式会社 関西支店 開発営業部長)

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 智の木協会専門委員の豊田氏から開会のご挨拶をいただきました。最初に、参加者の皆様に、ご参加と智の木協会の活動に対するご支援のお礼を述べられました。
 本日の講師の緑・匠 又右衛門(金岡信康氏)については、「創業明治13年、日本で最も古い花卉園芸会社の代表を務められている一方で、世界をフィールドにしてみどりのプロデューサーとして活躍されています」と紹介されました。「その活躍は、テレビや雑誌などでも拝見することができますが、本日は直接お話をお聴きできますので、ご期待ください」と締めくくられました。

 

智の木協会と関連行事に関する説明:智の木協会 代表幹事 小林 昭雄 氏

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 智の木協会が関わる事項について説明がありました。5月に、「うめきた2期開発事業者募集」があり、昨日(7月12日)開発事業者決定通知が届いたことをお知らせいただきました。
 その事業者の中に、「社団」テラプロジェクトも入れていただけたそうです。みどり化を進める活動を運営しているのは「社団」テラプロジェクトですが、その中心となる組織は智の木協会であることを強調されました。
 2期の開発事業者として、三菱地所(株)を代表とするグループに決定、その中に阪急、竹中工務店等が入り、それに協力するという形でテラプロジェクト、智の木協会が入っているそうです。うめきたの場所の説明があり、公園などに智の木協会の“智”を入れていくということで、参加要請があり採択されたということです。
 コンセプトは、共に考え、一緒に創る“with”イノベーション。関係性を中心においた大阪発イノベーションの仕組み「みどり」がつなぐうめきた共創エコシステムです。「ハンガリーのヘレンド社のカップ&ソーサ―に大文字の“MIDORI-SANTA”を入れていただきましたが、“みどり”のコンセプトの中にも大文字の“MIDORI”を使っています」と代表幹事。
 また代表幹事は、「色々な形で社会提言できていますし、ここ3年間皆様のご協力をいただいて花壇作りという実装もできています。着実にその思想がまちの中に浸透してきていることは、喜ばしいことです」と述べられました。
 続いて昨年も行われた「植育」イベント、みどりのサンタの「植・食、健康」フェスタ2018シンポジウムについての説明がありました。今年は、9月から12月までの4か月間行われます。9月14日オープニングシンポジウム、「第1回アーバンアグリカルチャーの目指すところ」については、「第1次産業から第7次産業、Joyful Agri.へ」というテーマで、大阪府と共に進めますが、我々としては近郊農業の形をジョイフル・アグリとして提案していきます」と新しい単語が飛び出し興味をそそりました。また、9月28日開催の「名木シンポジウム」については次のような説明がありました。「日本にはお寺お宮がありますが、衰退してきています。そこでお寺お宮を巻き込んで新しい活動をということで、金岡先生、木の神様を祀ってある伊太祁曽神社さんに思いを伝えたところ、伊太祁曽神社に新しい祭をつくる話が持ち上がり、それに向かってのシンポジウムを開催することになったのです。」
 本日の講師については、「金岡氏は独特の思いから仕事を進めておられますし、我々と共に社会実装していただくということで、(一社)日本みどりの研究所を一緒に設立させていただきました。智の木協会の思いを担っていただく組織として発展させていただければ嬉しいです。また、みどりのサンタアンバサダーとして、世界中を走って活躍していただいています。本日のお話も大変興味深いものと期待しています」と紹介されました。

 

講演 緑・匠 又右衛門(金岡信康氏)
(有限会社 薔薇園植物場 代表取締役 社長)

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タイトル:「世界の感動を日本に。日本の感性を世界へ。」

1.バラエングループとは
 (有)薔薇園植物場が中心になって、花卉園芸全般の卸売りを軸にして、関連会社4社と共に環境関係、植物工場、デザイン事業など植物や自然に関わる仕事にチャレンジしています、と現状を説明されました。
 薔薇園植物場は、初代金岡又右衛門氏が宝塚で明治13年に創業され、明治中期にかけて宝塚のまちづくりにも大きく関わられたそうです。昭和初期になると、2代目金岡喜蔵氏が宝塚で薔薇の生産に深く関わられ、海外への輸出、国内での通信販売を積極的に行われたそうです。昭和中期・後期には、3代目金岡信也氏が、業界に先駆けて量販店との取引を開始されました。信康氏は昭和後期に入社され、その頃は切り花、小売部門の担当でしたので、先ず、量販店に対する物販のための加工工場を設立、その際に全ての事業の見直しを行い、切り花の中卸ローズガーデンを立ち上げられたそうです。生産者の安心・安全な花卉生産を目指して、アースフィール設立、その時期にはまた、ガーデンデザインなどを行うNob’sデザインを設立されました。
 約12年前にバラエン植物場の代表に就任された金岡氏は、鉢物卸のローズガーデンプランツ(株)を、約6年前には植物の輸入を行う貿易部を、平成27年にはガーデン空間デザインの会社、Tea’sデザインをと意欲的に設立され、これを機に開拓者であった初代又右衛門の名前を借り、気合を入れて活動を始められたということです。

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2.又右衛門とは
 ご自身は、金岡信康は経営者として、又右衛門は各地を回る人間として展開しています、とおっしゃる金岡氏。その切り替えは私ども凡人もぜひ見習いたいものです。
 又右衛門としての活動は、植物や現地の人を第一に、植物の命にこだわりを持つこと、世界を回り植物や現地の人、生産者と直接触れ合いながら思いを共有することを第一に考えておられるそうです。
 ご自身の進むべき道の指針となっているのは、先代、先々代の言葉であり、精神的にも体力的にも厳しい時期を乗り越えさせてくれたと申されました。先代は、「お前を育てたのは社会なので、社会に恩返ししなさい」と。また、先々代が戦時中の厳しい中で、昭和16年に発行されたバラエン植物目録第三百七十六號に以下のことを記載していることを胸に抱き、世界へ船出しましたと述べられました。「物は貧しくなっても心まで貧しくすることは、世界をリードする大国民らしくない」「~~追いつめられるべきではなく、どこかに余裕を残しておくべきであろう」「国民的基礎の上に立つ生産的な文化政策、健全なる娯楽の必要さは今日痛切」「~~ますます優秀品の生産や新種の作出に無報酬の努力こそ、我々に課せられた公栄有る職域奉公と~~」、つまり、「歴史を継承しこれを発展させて次代の日本国民へ譲り渡すべき重大な役目がある」と。

 

3.世界の感動を日本に

 1)世界の植物
 世界のユニークな植物輸入を始められて僅か6年ですが、国際ルールに法りパートナーを公開して貴重な植物を取り扱い、活動している日本では数少ない企業と自負しておられます。金岡氏の活動は、現地で生産者や専門家から高い評価を受け、スペインで3社、オーストラリアで3社の世界を代表するナーサリーの日本総代理店、正規代理店として認められているそうです。
 金岡氏は、輸出入のライセンスを取得して生産者の権利を保護し、その価値を高めていこうとしておられます。

①スペインを代表するナーセリーは、オリーブやデザットプランツ、ユニークな植物を送り出すために、日本向けの管理施設に「又右衛門エリア」を設けてくださり、素晴らしいパートナーシップが出来上がってきています。そのパートナーシップは現在の活動の礎になっていますとお話になりました。
 スペインといえばオリーブ、樹齢約100年、300年~1000年位の古木、その存在感と花言葉がすてきということもあり、最近多方面から問い合わせがきているそうです。

  • ユッカ ロストラータ「ブルースワン」:
    葉が広がるこの姿を「ブルー・スワン」と名付け、専門家から高い評価を受けた。現在の、日本で流通している同様の植物の80%がメキシコ産だが、それに比べてスペイン産は明らかに品質が高い。
  • ユッカ ロストラータ ヒドラ
    この名前の由来は、ギリシャ神話に登場する9つの頭を持つ大蛇、ヒドラに似ているところから来た。
  • ユッカ リギタ、ユッカ フィリフィラ:
    耐寒性があり、-20℃くらいまで、また、水もあまり必要ないなどの特徴を持つ品種。
  • アガペ:人気で確保が難しくなってきており、大型のアガペはなおのこと入荷が難しく問い合わせが多い。
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③オーストラリア
「オーストラリアでもビジネスパートナーと仕事の枠を超えたお付き合いがあります」と金岡氏。海外ではペーパーでの契約のみならず、家族的な付き合いができ、植物の購入の際に反映されているそうです。

  • グラスツリー:
    日本へ移される時には土を全て落とす必要があり、その際に菌根菌も全部落ちてしまい、輸送は大変難しかったが、両国の研究者と提携し成功させることができた、と金岡氏。グラスツリーは1年に1㎝位の成長速度で、現在、大きさが1m以上のものの海外への輸出ができないという規制がかかっており、このような大きなグラスツリーが置かれていることは、自分たちが世界でもトップクラスだと言っていただける、と金岡氏。
  • ボトルツリー:
    オーストラリアのシンボリックな木の一つで、愛らしい形状は多くの人の注目を集めている。
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  • リーファーン類:
    日陰と水が好きな植物で、活躍できる場面が多くあり、最近人気が高まっている。
  • イカス(ソテツ類):
    ほぼ全種ワシントン条約の規制対象品種になり、動物に例えるならばオランウータンやパンダの部類で、商業目的の輸出入は法律で禁止されているが、種から育てたという証明と輸出入のライセンスを持っている事業所は輸出できる。金岡氏のパートナーはライセンス保持者のため、法的に認められた形で輸入ができる。
  • イカス(マクロザミア ムーレイ):
    300年に1メートル位しか育たない貴重な種類。紹介されたサイカスは樹齢約1000年。木肌が黒いのは、山火事の跡で、山火事に遭っても生き延びるとか。現在豊中の植物場に40~50本置いてある。
  • バオバブ(アダンソニア グレゴリー):
    マダガスカルに8種類、アフリカに1種類、オーストラリアに1種類ある。
  • その他の国々からもユニークな植物が日本向けに用意されている。

 

2)輸入するための手順、現地での活動
 現地の人に任せっきりになることが多い中、金岡氏は現地に出向き一緒に作業を行うとか。分からないことがあまりにも多いからだそうです。

①採取:できるだけ日本の気候に近い環境のものを採取するように心がけている。
②洗浄:日本に入れるためには、土は一切付着していてはいけない。根の強い植物は高圧洗浄できるが、弱い植物ではホースで水を流しながら土を落としていく。場合によってはハケで落としていくこともあり、1本の木に数日かかることもある。
③養生:そのままラッピングして日本へ送る業者もある中で、金岡氏は土に代わるピートモス等に植え込み、発根したかを確認後輸送。1年位かかりコストアップになるが、輸送中や日本到着後に枯れるようなことがほとんどなくなった。
④輸送:飛行機かコンテナを利用、常温であるいは冷蔵保存で運べるコンテナがある。規格外の大きさのものを運ぶ、フラットラックという種類もある。コンテナでも、船でも(船底と甲板では温度が異なるため)温度調節についていつも指示する必要がある。

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⑤入国:ヨーロッパからは約40日、オーストラリアから約2週間かかって入国する。コンテナヤードで蓋を開けて以上がなければ本検査へ。倉庫へ移して植物の品種によって異なるが、30~50%抽出しての検査。鉢から全部抜き根を細かく見ていく。
チェック項目 1.害虫 2.病気の有無 3.土の付着
害虫の場合は燻蒸処理する。最も困るのは、土が付着していたという場合で、1本でも土が付いていたら残り全ての検査になる。全部洗って土を落とすという作業になるが、実質日本に着いてからは洗うことができない。理由は、洗い流した土が排水溝を通って日本に上陸してしまうため。
⑥養生→品質チェック→出荷:順次植物を出荷。
⑦この春に来た植物:
 パラグアイ産 バラボラッチョ
 スペイン産  1000年オリーブ 豊中で養生期間に入っている。

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4.日本の感性を世界へ

 1)海外での活動
 時代の流れとして、世界の多くのデザイナーは、草花や木を鑑賞することを主としたデザインを発表して、それが評価を得ているとのこと。そこで金岡氏は、日本人として先人が残してくれた日本文化を再構築し、そういうコンテンツのデザインを世界へ向けて発信したいと思っておられます。3年前に立ち上げられたTea's Design の活動のムービーの紹介がありました。写真、音楽、歌、全て又右衛門チームメンバーだそうです。

①2016年4月、ベルギーで開催の王立園芸協会主催の花の展覧会に出展。5年に一度の祭典で、200年以上の歴史があり、ランドスケープに重きをおいた祭典。
海外の変わった植物を使い、その中に日本人の感性、光や陰を使った提案をし、外国人部門で銅メダルを獲得。

②2016年、Watahan(綿半)という企業のスポンサーシップのもと、世界最高峰のガーデンショーと言われる、英国王立園芸協会主催の Chelsea Flower ShowにYano TEAがメインデザイナーとして参加。3つのカテゴリーがある中、ショーガーデン部門へ出展し、シルバーメダルを獲得した。ショーガーデン部門は、Chelsea Flower Showでも最も花形の部門。日本人ではまだショーガーデンでは金メダル獲得者は無い。

③2016年 Seoul Garden Show
ソウル市長からチームのデザイナーが特別招聘を受けて、メインガーデンのデザインを行った。金岡氏が植物のプロデューサーとして参加。全面にソウル、背面に東京をイメージして作庭した。ソウル市の花コスモスを多く使った。日韓ワールドカップ記念公園内に永久的に保存されている。

シンガポール ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
世界を代表する植物のテーマパーク。ここには世界中からユニークな植物が集まって来ている。ここに植物を供給しているサプライヤーがパートナーであることから、彼らと活動することで世界的なネットワーク規模で植物調達が可能になっている。又右衛門チームも、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイに多くの植物を輸出したりイベントのプロデュース提案をしている。大型の植物、ツバキ、サクラ、ドウダンツツジ、ボタン等の輸出、特にボタンは高い評価を得ている。モクレンなどの樹木、チューリップ、ベゴニア、トルココキョウ等の切花も多く輸出した。シンガポールだけでなく、各国からの訪問者に日本産の植物のすばらしさを分かってもらった。

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2)輸出プロジェクト

① 華道書道の若い匠を支援しながら、独特の空間を作り上げて世界へ発信していこうとしている。

② FOREST FARM
おかあさんといっしょ」の番組や無印良品のイベントにも採用されてきたプログラムがあり、これらは海外でも非常に高い評価を受けている。このような自然環境学習プログラムによって、世界中の多くの子どもたちが自然に関わりながら学べる機会を作っていくことによって、次世代でも一つでも多くの大切なことを伝えていきたいと思っている。

③ 植物系の建築を進めている国が多くなっていることについて、「植物の必要性を感じているからではないか」と金岡氏。そして、小林代表幹事がずっとエデンプロジェクトを理想として掲げていることから「うめきたのような所にも近い将来このような建築物が造られることを望んでいる。我々も先生の力を借りながら更に進化させた形で実現にむけてやっていきたい。世界中で仲間と植物とを融合させ、世界に胸を張って紹介できる植物を育てていきたい」と抱負を述べられた。

 

5.国内の様々な活動

  • ウッドデザイン賞の受賞
  • IOCバッハ会長の名誉博士号授与式記念植樹で。現役の選手のオリーブの冠を香川県の生産者の方々と一緒に作った。
  • 大阪堂島リバーフォーラムで開催された、team Lab. Jungleというイベント。
  • オーストラリア大使館で開催された Australlia Day in Spring
  • 普段はコンクリートの打ちっぱなしの無機質なエントランスに、オーストラリアの風景をという依頼を受け、プロデュースした。

6.国際交流プロジェクト

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1)命をつなぐプロジェクト バオバブ編:日本最大のバオバブ移植プロジェクト。
 以前からオーストラリアでは大規模な開発が行われており、その地域でバオバブが伐採されてしまうため、金岡氏は現地のパートナーの協力を得てオーストラリア国内で一旦移植されたそうです。日本の気候ではバオバブは生きられませんが、広島市の植物公園の大規模温室のリニューアルオープンに合わせて、そこで受け入れ可能との情報が入り、日本の環境に合うバオバブを見つけられました。枝を全部落とし、5~6時間かけて重機で根を掘り起こし、洗浄や殺菌消毒を行う施設に送り、慎重に作業を進め、洗浄後、2か月間乾かし、完全にラッピングして日本へ輸送されました。約2週間後大阪港へ着き、検査合格後広島へ、無事植栽を終えられた金岡氏。このプロジェクトには2社のテレビカメラがオーストラリアへ同行し、密着取材し1時間番組にして放映されました。6月には秋篠宮殿下が訪問され、金岡氏が説明されたそうです。

2)マダガスカルプロジェクト
 厳しい生活環境の中で人々は世活のために固有種の栽培、許可されていない植物の採取、炭にするなどし、急速に自然破壊が進んでいることをお話になりました。150円稼ぐために180kgの木を焼きCO2を出して炭をつくり換金している現状を目の当たりにして、金岡氏は木彫り製品を作ることにより150円を稼げるプロジェクトを立ち上げられました。本日の参加者へのお土産の木彫り製品こそがそれです。「皆さんの支援こそが彼らの生活の支援になり、環境保全に繋がります」と金岡氏。
 現地では他にも大人や子どもに雇用を創出し、学校も作っている人がおられ、彼らが作った鉄製品も近々日本に並ぶようになるそうです。

 

7.今後の展開

 これまでに「社団」テラプロジェクトの専門委員として精力的に活動を続けてこられた金岡氏、みどりの研究をするために、東京農大に隣接する進化生物学研究所で学ばれることになられたそうです。更に、みどりの力を最大限に活用し、社会実装のための研究をしていく(一社)日本みどりの研究所を小林昭雄理事長の支援の元、立ち上げられました。
 「みどりのサンタは赤いサンタと異なり、植物の素敵さを伝えるために、365日活動することができる」ことから、「このような機会を通じて植物からのメッセージを伝える活動を大切にしていきたい。海外でもその活動を伝播するために、ヨーロッパ、アフリカ、アジアなどを訪れ、シンガポールのガーデンズ・バイ・ザ・ベイでは、多くの国々の人たちと話をすることができました」と述べられました。

 

8.世界を舞台に活動するチームづくりをめざして

 マダガスカルでは、子ども達と植林活動をされた金岡氏。彼らには、誤った道を進んだ先進国のやり方を繰り返してほしくない、この素敵な自然を守りながら歩んで行ってほしい、もし、先進国と同じ道を歩みそうになった場合には、それを止めることができるチームや人間にならなければいけないと力説されました。
 「外国語は話せません」とおっしゃる金岡氏ですが、世界中30か国以上を訪れて人々と繋がり支えていただいている、と述べられ、話すことができない植物に出会うことで植物から多くのことを学び教えてもらった、と自信を持ってお話になりました。植物は酸素を作り出し、自分の一部や全てを差し出して野菜や果実として私たちに食を与えてくれている、衣食住、薬草までも、無言で当たり前のように全ての命の継続を支えている、と明言されました。

 

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9.最後に

 「今後も、植物、緑の力・すばらしさを、そして植物からのメッセージを世界の舞台で発信していきたい。本日皆さんに会えたのもみどりのお陰だと思っています」と謙虚におっしゃいました。世界中を回られることで、これだけ最先端の力が発揮されても、経済力があっても戦争や環境破壊は無くならず、厳しい地球環境を目の当たりにされることが多く、今後はみどりの力を最大限に生かしていきたい、みどりの力によって地球をデザインしていきたい、と抱負を述べられました。
 金岡氏のみどりに対する考え方、行動、全て、植物に携わる職業人としてよりも人間として植物に畏敬の念を抱かれる姿勢に頭が下がります。
 日本では、あまりにも植物が周りに繁茂し、むしろ草刈りや除草の大変さが身に染みて植物の持つ力やその偉大さ、大切さを忘れてしまっているところがあります。世界の実情を考え、今一度植物について、植物の力・偉大さに気づかされるご講演でした。

 

閉会のご挨拶
智の木協会 企業会員 スシックスジャパン株式会社 代表取締役 三嶋 浩義 氏

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 「柿の葉寿司の会社です」と自己紹介されました。小林代表幹事との接点は「柿の葉ってみどりだねー」ということから発展し、発想豊かでいろいろなことをおっしゃるそのことが、どこかで生きてくるとの思いで智の木協会に入会しました、とお話になりました。
 柿の葉寿司について、「葉には抗菌作用があって、先人の知恵で柿の葉で寿司を押すことにより空気を出し、鯖を酢でしめると長持ちしますので、江戸時代頃から作られてきました」と説明されました。また、北新地で開発された「5種のいなり寿司」について、交流会でも準備していただきましたので味わってください、と報告されました。

 

交流会の様子

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「第2回ヘレンドカフェ」(1月28日開催)のご報告

 智の木協会では、2018年10月15日に第1回「ヘレンドカフェ」を開催し、引き続いて2019年1月28日に第2回目を開催しました。
 折しもインフルエンザ大流行の時期で、欠席者が多かったのですが、小林代表幹事にヘレンド社訪問時のお話をしていただき、また、その際に同行してくださった方々のお話も伺い、ハンガリーへ旅行した気分になりました。
 参加者はケーキ工房フローレンスさんの、いちごたっぷり リッチなケーキ「マーガレット」と、「森をまもるコーヒー 竹炭焙煎珈琲」を里山倶楽部の中村仁美様に淹れていただき、優雅な一時を過ごしました。

 

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新年講演会(2月6日開催)のご報告

司会:智の木協会理事 大河内 基夫 氏

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開会のご挨拶:智の木協会 専門委員 掛川 敏幹

(富国生命保険相互会社 不動産部長)

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 景気・オリンピック・大阪万博等、多岐にわたってお話いただき、特に大阪万博との関連について、「大阪万博のテーマは“いのち輝く未来社会のデザイン”で、健康、医療、農業、食品などの分野がクローズアップされています。智の木協会は、植・食、健康をテーマに活動していますので、かなり親和性が高い集まり、組織だと思います」と述べられました。」
 また、「本日の講師、川西様につきましては、非常に関心の高いテーマで、しっかりお聞きしたい」と期待感を示されました。

 

講演:川西
(幸南食糧株式会社 取締役会長、「川塾」会長、智の木協会 企業会員)

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「ちょっとの気づきで企業も人も変われる

  -激動期における小さくても元気な一流企業の作り方-」

 

 川西氏は機会ある毎に「気づき」が大事であるとおっしゃっています。人はどんなに立派な訓示や助言を受けようとも、本人の「気づき」無くては変わりようがありません。当日、「気づき」その「きっかけと実践」について具体的にお話をしていただきました。
 「挨拶は一流企業の原点である」。こう言い切れることに辿り着かれた川西氏。どんなに会社を大きくしたいと思っても、そのために広報や営業を頑張っても、基本は何なのかに気づかなければ先へは進めません。川西氏は「社内挨拶ができない者は一流の挨拶はできない」また、清掃活動を通して「小さなことを一流にしていけば会社も一流になる」を信念に一日一人ゴミを2個拾う「一日2運動」を進めてきておられます。
 米問屋に就職された川西氏が厳しい仕事を乗り越えられたのは「小さくてもいい、何かをやってみたい、頑張って両親を楽にさせてやりたい」という思い、夢、目標を持っていたからこそと話されました。そして、目標とは「人生をデザインする道具」であると述べられました。どんな職業についても我慢すること、諦めないことが必要であると気付かれた川西氏は、苦労があっても苦労という言葉は使わず、努力という言葉をたくさん使うようにしてこられたそうです。努力する人は夢を語ると思う、とも述べられました。楽して成功するような魔法の方法はどの業界にも無いと思う、人の3倍成功したいなら3倍努力するしか仕方がないと思うとおっしゃいました。「みんな成功できるパスポートは必ず持っている、成功できるパスポートがあるから価値と魅力がある、しかし、成功という扉は自動ドアではない、努力した人しかその扉は開かなくなっている、努力した人は報われると思う、努力した人は嘘をつかないと思う」と続けられました。どの言葉にも説得力があります。
 8年後、独立された川西氏、追い風の時でも中小企業は危機感を持つ必要があるとおっしゃっています。「挨拶」が社運を左右することに出くわされたことが、大きな転換に繋がりました。大きな取引先からある日突然「取引をやめる」と宣言されたその理由が「お宅の社員は挨拶ができない、品物をぞんざいに扱う」という指摘に愕然とされた川西氏は、その時2つのことを学ばれたそうです。

①物のクレームから人のクレームの時代が来た。

②三割を占めるお客さんを顧客としてはいけない。

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 会社で川西氏は社員が挨拶ができなかったこと、品物の扱いについてなど社員を責めるのではなく「責任は自分にある」とした上で「朝も帰りも挨拶もできない集団が、お客さんの心に響く仕事・挨拶は無理だから、先ず、社内の挨拶を一流にしよう」と提案されました。社員から「売り上げに直結するのか?気恥ずかしい」などなどの発言に「当り前のことがこれだけ難しいのか・・・では、それをどこよりも素晴らしくやり遂げた時には、それが価値あるものになる、企業の魅力になる」と気づかれた川西氏。さっそく実践されました。1日目、2日目は何とか声が出ていましたが、3日目にはほとんど挨拶が無くなってしまったそうです。挨拶一ついかに難しいかが伺えます。川西氏は、何かを変えたい、何かを形にしたいというイメージを持つならば我慢が必要とおっしゃっています。
 そのうち、一緒に「社内挨拶」に取り組むと社員自から申し出があり、「社長、どうせ挨拶するんだったら握手してやろう」とも言われ、びっくり。理由を聞くと「握手すると相手の元気さと心のぬくもりを感じるから」と。次に彼は挨拶に「名前をつけましょう」と。それも「元気体温計挨拶」。結果三年半かかったそうですが、職場が元気になった、職場が明るくなった、職場のコミュニケーションが取りやすくなった、積極性が出てきた等々、といいとこずくめです。
 その後メディアからの取材の申し入れがあり、放映されるとその反響は予想以上で、新卒採用ができるようになった現在の社員の平均年齢は31歳だそうです。
 ご参考になれば、とお話になった言葉、「部下を変えようとするところに問題がある、自分が変わらなければ周りは変わらない」「名刺の肩書が大きくなればなる程、自分で気づくしかない。社員は気づいていても言わない」。
 また、社員が多くなれば各部署のリーダーが必要になってきますのでリーダー候補をつくり上げておられるそうですが、リーダー候補とは「挨拶の上にもう一言付け加えることができる人」だそうです。「選ばれる企業には、選ばれる人がいる」「これからの企業格差は、人で格差が付く時代を今迎えている」それぞれの言葉に重さを感じます。そして、川西氏は、身だしなみは一瞬にして「こんな人」と感じてもらいますので、非常に大切だと、本日、智の木協会でのご講演を意識して「緑のネクタイ」を結んでお越しくださいました。それに加えて出す声は企業の業績に比例すると思うとおっしゃいました。小さな声の企業は長持ちしないとも。
 挨拶は人の心をも変えます。「挨拶が一流」「きれいが一流」「元気が一流」、これらが一流の原点と言い切られる川西氏です。

Q.レジュメの「経営の三王」について質問がありました。

①危機を持ち続ける。
②存在・・・周辺でタクシーの運転手に聞かれても、誇りに思われるような会社をつくらないといけない。日本一美しい会社をつくろう!「美しい」会社は、最高のセールスマンの会社になる。「一日2運動(一人一日ゴミを2個拾う)」小さなことを一流にすれば、大きなことも一流になっていく。それを運転手が宣伝してくれる。
③責任・・・リーダーは「私の責任です」と言えること。

 川西氏は、「関西発仕事コンソーシアム~“夢”やってみなはれ勉強会~」の会長も務めておられます。
 最後に、「社団」テラプロジェクト理事長、智の木協会代表幹事 小林昭雄氏より、“夢”やってみなはれ勉強会発足の経緯についての説明がありました。



交流会

 交流会は場所を移動して、「社団」テラプロジェクトと合同で行いました。いろいろな分野の方々にご参加いただき、新しい出会いもたくさんあったことと思います。

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2018-10-15 「第1回スイーツマルシェ/ヘレンドカフェ」のご報告

 智の木協会は、テラプロジェクトの事業展開に協賛し、2017年5月のハンガリーヘレンド社訪問を機として、同社製、「アポニーグリーン」カップ&ソーサ―に“MIDORI−SANTA”One Greenロゴを200客限定で刻印していただくことができました。



 ヘレンド社は、磁器製造で使うエネルギーをみどり化活動でオフセットすべきとの企業哲学をもっておられ、地球温暖化解消、都市緑化、植育活動の普及に理解を示してくださり、夢のような企画が実現しました。

 智の木協会では、このカップ&ソーサ―をご購入いただいた皆様やご購入予定の方々、会員の方々を対象に、第1回ヘレンドカフェを開催しました。







2018-8-7 「スロバキア ワインの夕べ」ご報告

ご挨拶:智の木協会代表幹事 小林昭雄氏


 智の木協会とスロバキアワインとの接点について、「2年前に(株)マイティ(智の木協会企業会員)の鈴木会長様とお会いし、スロバキアを訪れる機会をいただきました。(株)マイティ様は、スロバキアワインを輸入しておられますので、ワイナリーへもご案内いただき、世界中のワイン生産国の中では小規模ですが、非常に質の良いワインを生産していることを知り、この度、試飲していただく機会を設けることにしました」と感謝の意を表されました。









講師:スロバキア ワイン アンバサダー 大野 春美 氏


 まず、スロバキアの位置を説明していただきました。スロバキアと聞けば日本人の多くが「ああ、チェコスロバキアね」と言いますが、1993年1月に分離独立してスロバキアになりました。北西にチェコ、北にポーランド、東にウクライナ、南にハンガリー、南西にオーストリアと多くの国に接している中央ヨーロッパの国です。
































 大野氏によりますと、スロバキアはブドウ生産の北限と言われていて、非常に冷涼な地でピュアな味わいが生まれるそうです。ブドウの種類から圧倒的に白ワインの生産量が多いそうですが、その中から以下の4種類を試飲用に選んでいただきました。


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1.スパークリング:セクト・パルフィ・ブリュット

  力強い泡とキレのある味わいとやわらかなコクがあり、

  シャンパーニュのような満足感。

  ワイナリー:ヴィーニョ・ニトラ

2.白:ヤグネット ミュラー・トウルガ

  フレッシュなインパクトで、すっきり爽快な味わいの中に、

  瑞々しい果実味が感じられるコスパ抜群のワイン。

  ワイナリー:カルパッカ・ペルラ

3.白:MS ヴェルトリンスケ・ゼレネ

  スロバキアで一番多く作られる代表品種。

  爽やかな風味とコクのある味わいを併せ持ち、綺麗な後味。

  和食にもよく合う。

  ワイナリー:ムルヴァ・スタンコ

4.赤:Ex フランコフカ・モドラ

  スロバキアを代表する品種。マリアテレジアが愛した

  “ラチャ産”フランコフカ。果実味と成就感のバランスが良い。

  ワイナリー:ヴィラ・ヴィーノ・ラチャ





 軽食としては、フランスパンのバケット、スパークリングにはオレンジを、白と赤ワインには3種類のチーズを合わせました。他には塩豚、ウィーンからソーセージの差し入れ等々、楽しく学んでおいしさ満喫のセミナーでした。

 セミナーでの試飲の他、試飲販売コーナーも設けていただき、参加者の皆様に大変喜んでいただきました。次回の開催を望む声が多く聞かれました。