智の木協会活動報告

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智の木協会主催 第4回グリーンツーリズム 「鳥取県智頭町森林セラピー体験ツアー」レポート

 平成25年6月20日(木)、「鳥取県智頭町森林セラピー体験ツアー」に15名が参加しました。遠方にも関わらず智頭町は智の木協会協力会員として、智の木協会主催のイベントにも参加していただいています。
 森林面積が町内の93%を占める智頭町では、森林を活かした町の活性化に努めておられ、森林セラピーはその効用も学問的に裏付けられており、都会の雑踏からの解放、ストレス発散など目的は個々に異なりますが、多くの方々が当地を訪れています。
 さて、体験ツアー当日(6月20日)は生憎の雨。カッパ姿で森林セラピストの方の案内で樹木の間を歩きました(写真1)。


写真1.セラピーロードを歩く参加者


写真2.ギンリョウソウ

昔のトロッコ敷設路を山歩き用に改良したセラピー道は大変歩きやすく、そばにはギンリョウソウ、ヤマアジサイヤマボウシなど魅力的な植物が見られました(写真2)。また、イモリも出迎えてくれました。普段、雨天の際には山へは入りませんので、雨の中、強行は貴重な経験でした。冬の雪深い厳しい環境に晒されながらここまで生長してきた樹木、苔むした木々や岩肌、カヤやクロモジなどの匂いのある植物に接しながら、ゆったりと2.3km先の目的地に向かって歩きました。集まった水が滝となってどんどん流れている三滝では、参加者が抱えているストレスをイメージした箱の中に閉じ込めて、思いっきりの声と言葉で滝に放り投げる、言投げに参加しました。皆さんから「スッとしました!」との感想を頂きました(写真3)。


写真3.三滝(みたき)と集めたストレスを大声で滝へ放り投げる森林療法の様子


 森林セラピーの後は待望の昼食会場「みたき園」へ。みたき園は園内全てがゆったり、現世を忘れそうな世界でした。移築された家屋の屋根に草が茂っている様子は、あたかも北欧のサーメ人の家のようでした(写真4)。囲炉裏は濡れた洋服を乾かすのにもってこいでした。智頭町の山や川でとれた素材の良さが最大限に生かされたお料理は、心温かさと共に運ばれて「ここでしか味わえない」と皆さん大満足でした。


写真4.「みたき園」


 その後、一行は国の重要文化財である智頭宿「石谷家住宅」へ(写真5)。石谷家は山林王であり、3,000坪の敷地に建てられた木造住宅に一歩踏み入れた途端、その天井の高さにまず驚きました。そして、おくどさんに煙突がない工夫にまた驚き。見事な柱や1枚ものの板ばかりで作られた部屋数何と40余り。木の芸術に魅せられっぱなしでした。


写真5.石谷家住宅


部屋の欄間の素晴らしさ、各お部屋の障子の細かい細工にうっとり。約400坪の庭園は裏山を借景として造られ、新建座敷や二階からの眺めは格別でした(写真6)。何回でも訪れてみたい稀有な木造建物です。


写真6.石谷家住宅 庭園


 智頭の町の軒先には「杉玉」が吊られています。丸い形や中にはフクロウの形のものまであり、とても楽しい気持ちになりました。
 今回は集合場所を「智頭町駅前」としましたので、自家用車、スーパーはくと、飛行機と思い思いの乗り物で現地へ集まりました。智頭町近隣の会員の方々にも気軽にご参加いただけました。
 今回のツアーは「雨の中の森林セラピー」として、いつまでも心に残ることでしょう。