智の木協会活動報告

智の木協会の活動報告ブログです

第11回グリーンツーリズム 「京都 小川流煎茶に親しむ一日」レポート

 智の木協会では、平成28年5月31日(火)、第10回ワークショップで小川流煎茶家元嗣 小川可楽氏に「煎茶への誘い―文人と喫茶」のタイトルでご講演いただきました。小川可楽氏のご講演は、その歴史、煎茶の発展、現代社会における意味・意義等について大変分かりやすく親しみの持てる話し方、内容でした。

 智の木協会では、より煎茶道に近づきたい、煎茶の奥深さに浸りたいとの思いから、京都上賀茂に建つ小川後楽堂を訪問させていただきました。玄関から一歩足を踏み入れたその瞬間から非日常の世界です。師範の先生方から丁重なご案内を受け、茶室へと向かいました。窓の外の庭園も、そこが住宅街とはとても想像できない景観を示していました。近衛忠煕(このえ ただひろ)筆 後楽堂扁額が掛けられている茶室で、厳かかつ華やかさが漂うお手前で煎茶を淹れていただきました。無駄の無い流れるような動作に、思わず引き込まれていきました。

























 本日の「香煎」はシュンラン、これもまた、参加者にとっては珍しい体験でした。本席一煎目、初体験の人にとってはあまりにも少ない量です。小川流煎茶は「雀の涙」と言われているのです。しかし、これは病みつきになる味です。二煎目の次にお菓子をいただきます。そして白湯です。白湯も大事な役目をもっているのです。「煎茶道」とは、「目で感じ」「心で学び」「舌で味わう」との印象を強く持ちました。

 膝が悪い人にもやさしい座り方でよいとの配慮から、参加者皆ゆったりと「甘い」本物の煎茶を堪能しました。終始可楽氏に解説していただくという贅沢な会でした。

 昼食は、小川後楽堂様のお世話で、京都「田ごと」のお弁当を新館でいただきました。一日丸ごと日本の伝統・文化に浸りました。

 この二日後の9月19日、小川後楽お家元がご逝去されました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。